Alibaba Cloud DNSの”Aレコード制限”を具体的に説明する

この記事は Alibaba Cloud の日本サイト の環境(ドキュメントやアカウント、そのアカウントでの検証結果)に基づいて記載しています。 日本サイトと国際サイトでは各プロダクトごとに提供機能が一部異なることがあります(そのほとんどは国際サイトの方が日本サイトよりも多機能になっている)。記事の内容は適宜最新化する予定です。 

Entepriseバージョンの基本設定の中に”Aレコード制限”という項目があります。 最初、Aレコードとして登録できるRR数かと思ったのですがそうではありません。(既定の10個だと少なすぎ!ですし、最大90個でも足りないですし)

コンソール画面からヘルプを見ると「同じホストとISP回線に追加できるAレコードの最大数を指定します」と説明がありますが、通常のDNS管理者からするとISP回線?Aレコードの最大数?とより混乱するはずです。

正解は「Aレコードの制限=1つのRR(Aレコード)に登録できるRDATAの数」です。既定値の”10”では11個目のRR登録でエラーとなります。

Aレコードの制限を試してみる

まず、1つのAレコードのRRに10個のRDATAを登録します。以下の画面ではホストとして”test”に対して値を10個登録しています。

11個目を登録します。

OKボタンをクリックすると、コンソール右上に失敗した旨のメッセージが表示されます。 既定値の”10”の場合は11個目のRR登録でエラーとなることを確認できました。

そもそも10や90も登録するのはどんな場面なのか

一般的な使われ方はDNSラウンドロビンになると思います。 例えば、Aレコードの”www.bigriver.jp”に対して複数のIPアドレスをRDATAとして登録します。DNSクライアントは受け取ったIPアドレスを接続先とします。 耐障害性のない負荷分散を実現出来ます。(クライアントアプリケーションによっては、ラウンドロビンで取得した複数のIPアドレスに順番に接続する動作となるものもあります。この場合は耐障害性があります。)

Alibaba Cloudが想定しているのはGeoDNSと考えられます。GeoDNSでは国単位でクライアントを識別できるためです。 国ごとにAレコードのRDATAを登録するのかなと設定を探したのですが見つからず。 この話は引き続き調べて記事投稿したいと思います。  

調べた結果は以下記事となります。

以上