マイクロソフトの制度として”ライセンスモビリティ”があります。 特定のソフトウェアが条件付き(Software Assuaranceなど)で特定のパブリッククラウドにライセンスを持ち込みできる制度です。
Alibaba Cloudはライセンスモビリティに対応しています。 考え方や適用条件について紹介します。
ライセンス モビリティの目的:
https://www.microsoft.com/ja-jp/licensing/licensing-programs/software-assurance-license-mobility.aspx?activetab=software-assurance-license-mobility-pivot%3aprimaryr2
・オンプレミスまたはクラウドにサーバー アプリケーション ライセンスを展開することにより、そのライセンスの価値を引き出します。
・業務の優先順位の変化に対応したコンピューティング インフラストラクチャを低価格で利用できます。
ソフトウェア アシュアランスによるライセンス モビリティにより、お客様のボリューム ライセンス契約に基づいて購入された特定のサーバー アプリケーション ライセンスを認定モビリティ パートナーのデータセンター内に導入することができます。
Alibaba Cloudはこのライセンスモビリティに対応しています。 公式のドキュメントサイトに具体的に適用方法の案内があります。
このトピックでは、Microsoft ソフトウェアアシュアランスによるライセンスモビリティの申請方法について、説明します。お客様の Microsoft ライセンスが、有効なソフトウェアアシュアランス契約に記載されている場合にのみ、このセクションをご参照ください。Dedicated Host を使用する場合、または当社からライセンス付きサービスを購入する場合、このセクションを読み飛ばしてください。
https://jp.alibabacloud.com/help/doc-detail/84749.html?spm=a2c5t.11065259.1996646101.searchclickresult.1a142c3dSn96rq
Alibaba Cloud は Microsoft の認定モビリティパートナーであり、お客様は Alibaba Cloud の安全かつ柔軟な共有データセンターにインフラストラクチャを簡単に移行することができます。ライセンスモビリティを申請することで、Microsoft ソフトウェアを再購入しなくても、お客様自身のライセンスを Alibaba Cloud に持ち込む (BYOL) ことができます。
上で”Dedicated Host”の話が出ています。Dedicated Hostはいわゆる物理ホストを占有できるサービスのためライセンスモビリティではなくBYOLできます、ということです。
とりあえず、Alibaba Cloudはライセンスモビリティに対応していることが公式サイト情報からもわかりました。
目次
マイクロソフトのどの製品がライセンスモビリティに対応しているのか?
マイクロソフト公開情報の製品ライセンス条件を確認します。 都度最新化されているので、必ず、その時点で最新のバージョンを確認しましょう。上記に紹介したマイクロソフトのライセンスモビリティ制度の紹介ページに”製品条項(PT)に記載されています”とあります。
アプリケーション サーバーの対象範囲
https://www.microsoft.com/ja-jp/licensing/licensing-programs/software-assurance-license-mobility.aspx?activetab=software-assurance-license-mobility-pivot%3aprimaryr2
Microsoft Exchange Server、Microsoft SharePoint Server や Microsoft SQL Server など、ソフトウェア アシュアランスによるライセンス モビリティの対象となる全てのアプリケーション サーバー製品は、製品条項 (PT) に記載されています。ただし、Windows Server は、ソフトウェア アシュアランスによるライセンス モビリティの対象外のため、認定モビリティ パートナーによって提供されます。
とのことなので製品条項の紹介ページへアクセスします。
製品ライセンスの関連資料
https://www.microsoft.com/ja-jp/licensing/product-licensing/products.aspx
このページに掲載されているライセンス関連資料は、マイクロソフト ボリューム ライセンス プログラムを通じて購入される製品およびオンライン サービスの使用条件を規定するものです。
上記サイトの下のほうの”製品条項”にある”Japanese”リンクをクリックします。そうするとword文書がダウンロードできます。
クラウド、オンプレミス関係なく一度は初めから最後まで一読することをお勧めします。 マイクロソフトのライセンスは複雑で難解で人により言うことが違うことがままありますが、この製品条項に記載している内容が基本となるわけです。
本題の”ライセンスモビリティ”の話に戻ります。 それではニーズの多いSQL ServerとリモートデスクトップCALについてみていきましょう。
SQL Serverのライセンスモビリティ
ダウンロードしたword文書でSQL Serverを探します。
”4.ソフトウェアアシュアランス”に”ライセンスモビリティ”の項目があります。「ライセンス モビリティ: すべてのエディション (Parallel Data Warehouse には適用されません)」とあります。 WebやStandardやEnterpriseなどすべてのエディションでモビリティOKです。でもParallel Data Warehouseは除外します、とのこと。 このように各製品ごとの”4.ソフトウェアアシュアランス”の”ライセンスモビリティ”項目を確認することで対応可否がわかります。
ちなみにAlibaba Cloud でSQL Serverのライセンスモビリティを利用したい場面はAlibaba Cloud ECS上にSQL Serverを構築したい場合です。 ApsaraDB for RDSでマネージドなSQL Serverは提供されていますがOSへのサインインはNGです。 バッチ処理や特殊なプログラム実行などの要件でOSから制御したいケースとなります。
リモートデスクトップ CALのライセンスモビリティ
ダウンロードしたword文書からWindows Serverを探します。
”4.3 Remote Desktop Service (RDS) User CALおよびUser SLの拡張された権利”にライセンスモビリティに関する記載があります。
Alibaba Cloudならではの利用方法としては、中国本土の社員が中国の上海リージョンのECS上にリモートデスクトップ接続し、Express Connect経由で日本のサイトに快適にアクセスする場面が想像できます。