コロナ起因で在宅勤務やお客様との会議で Teams によるオンラインミーティングを利用することは増えていると思います。 その中で音声が聞こえづらいなどの問題に直面することも少なくありません。 問題の原因はクライアントの CPU リソース不足かネットワークの品質であることがほとんどだと思うのですが、“思う”だけでは根本的な解決には至りませんしエンドユーザの不満や不安を解消することも出来ません。
ということで Teams が提供する標準のツールで原因調査する方法を紹介します。 標準のツールを使用することで過去に行われた会議について参加者のデバイス情報(OSやスペック)、会議中のネットワーク品質(ラウンドトリップ時間やパケットロス)を確認することが可能です。
標準のツールの使用方法は Microsoft Docs で詳しく解説されています。URL はこちら。 ドキュメントでは通話品質の分析の利用にあたっての権限設定の話と実際の操作手順が説明されています。 今回は既定で分析が実施できる管理者アカウントでの手順をスクリーンショットで紹介していきます。 実際の現場ではヘルプデスクの担当者に最小特権の原則に則り権限を付与することになるとは思います。
まずは Teams 管理センター (https://admin.teams.microsoft.com/)にログインします。
ユーザー管理画面に移動します。 通信品質を調査したいユーザをクリックします。
会議と通話をクリックします。
対象のユーザーの過去の会議と通話の履歴が一覧表示されます。 分析調査したい会議をクリックします。
行われた会議の概要情報が表示されます。 参加者の詳細をクリックします。 会議には2名の参加者となっていまうが、もう1名は他人となるのでマスクします。
会議の参加者について、分析調査したいユーザーの開始時刻をクリックします。
会議の概要画面が開きます。
手っ取り早く会議の品質やネットワーク状況を確認したい場合は品質を確認します。今回は良いとなっています。次にネットワークをクリックし、ラウンドトリップ時間を確認しましょう。
より詳しい情報を確認する為に詳細設定をクリックします。
詳細設定の画面は複数ページとなります。 順番にスクリーンショットを紹介していきます。
最初は概要画面でも確認できたデバイス情報。
次は送信音声ストリームとシステム情報。 左側は今回、Teams 管理センターで選択したユーザーの情報、右側は Teams 会議に参加した別のユーザーの情報です。右側は私の情報ではなかったのでマスクしますがPC名やOS、CPUアーキテクチャやコア数までわかります。 実際の使用率は確認出来ませんが、そもそも Teams を利用するスペックの環境(CPU 2 コア以上など。詳しくはこちら)となっているかは確認出来ます。
次は接続。 ここでは Wi-Fi を使っているかを確認出来ます。 Wi-Fi が当たり前となっている現状ですが、リアルタイムでの応答性が会議の品質につながるという点では Wi-Fi の使用は避けたいところですよね。
次はデスクトップ共有に関する接続情報。
次は受信ネットワークの情報。 かなり詳細な情報を確認出来ます。 オンラインミーティングでの通話品質の問題の原因がネットワークにあるかはここで平均ラウンドトリップ時間と最大ラウンドトリップ時間、平均パケット損失率、最大パケット損失率を確認するとよいと考えます。
この時の私の環境は物理PCと有線LAN、プロバイダーは 1Gbps の環境でしたがパケットロス(最大パケット損失率)が少し発生していたことがわかります。
次は送信ネットワーク。 受信同様にオンラインミーティングでの通話品質の問題の原因がネットワークにあるかはここで平均ラウンドトリップ時間と最大ラウンドトリップ時間、平均パケット損失率、最大パケット損失率を確認するとよいと考えます。
次はデスクトップ共有時の受信ネットワークと送信ネットワーク。
最後はその他として、パラメータレベルで情報を確認出来ます。 100項目もあるのですべての画面は紹介しませんが大量の情報を確認出来るということです。
例えば、ネットワークの詳細情報、接続している RelayAddress (52.114.55.4)やPort(3479)、自分の端末の IP アドレスも確認出来ます。(以下のスクリーンショットにはありませんが他の参加者の IP アドレスも勿論わかります)
上でも紹介したパケットロスの情報もあります。
上記の情報はすべて Excel ファイルのレポートとしてダウンロードすることが可能です。画面の右上にあるボタン、レポートをエクスポートをクリックします。
なお、この品質分析ですが自分の組織外のユーザーにより設定されて会議でも利用出来ます。 今回紹介した内容も他者(全く別の組織)により開催された会議です。 Teams 自体は SaaS ということで情報が集中管理されているということでこのようなことが実現出来るのだと思います。
以上