この記事は Alibaba Cloud の日本サイト の環境(ドキュメントやアカウント、そのアカウントでの検証結果)に基づいて記載しています。 日本サイトと国際サイトでは各プロダクトごとに提供機能が一部異なることがあります(そのほとんどは国際サイトの方が日本サイトよりも多機能になっている)。記事の内容は適宜最新化する予定です。
2019年1月29日より東京リージョンがマルチゾーン化し、従来のZone Aに加えてZone Bが利用可能になりました。 MySQLやPostgreSQL、SQL Server、PPASをマネージド提供するApsaraDB RDSについてZone AとZone Bでの構成ポイントを整理してみました。
ECSについては以下の記事でZone毎に構成できるECSタイプファミリーが異なることを紹介しています。
目次
最初に結論
- MySQLとPostgreSQLはマルチゾーンによるハイアベイラビリティ構成が実現可能
- SLB(Server Load Balancer)もZoneA/Bのマルチゾーン対応したので、ECSのフロントエンド、RDSのデータベース含めてマルチゾーンでの冗長化が可能となりました
- Microsoft SQL Serverは2019年2月9日現在、Zone Aにのみ構成可能(Zone Aのなかでのハイアベイラビリティ構成はOK)
- PPAS(Oracle互換データベース!)はZone Bにのみ構成可能
ApsaraDB for MySQL
- 5.5/5.6/5.7ともすべてハイアベイラビリティエディションのみの提供。
- 以下表でZone A行の”●”はZone Aの中でハイアベイラビリティ構成となる。
- 基本はマルチゾーン(A+B)の選択で問題ない。
- Zone Aで構成した場合、Zone障害には対応できない。通信遅延を最小化したい要件がある場合はデータベースのRDSとフロントエンドのECSをZone Aに集中させる構成は考えられる。
- Zone Bの中だけでハイアベイラビリティは構成できない。ただ、マルチゾーンが構成できるので基本的には問題とならない
- マルチゾーン構成時の既定のマスターノードはZone Aとなるが手動でスイッチオーバーすることも可能。
- RDSのディスクは”ローカルSSD”と”クラウドSSD”を選択できる。
バージョン | 5.5 | 5.6 | 5.7 | 5.7 |
ストレージ | ローカルSSD | ローカルSSD | ローカルSSD | クラウドSSD |
ハイアベイラビリティ | ● | ● | ● | ● |
シングル | N/A | N/A | N/A | N/A |
Zone A | ● | ● | ● | ● |
Zone B | N/A | N/A | N/A | N/A |
マルチゾーン (A+B) | ● | ● | ● | N/A |
PostgreSQL
- PostgreSQLもMySQLと考え方は基本的に同じ。
- 基本はマルチゾーンを選択。
- 通信遅延の要件が厳しい場合はZone Aを選択し、フロントエンドのECSもZone Aのみに配置する。
バージョン | 9.4 |
ストレージ | ローカルSSD |
ハイアベイラビリティ | ● |
シングル | N/A |
Zone A | ● |
Zone B | N/A |
マルチゾーン (A+B) | ● |
Microsoft SQL Server
- SQL Serverは2019年2月9日現在、Zone Bに対応していません
- EE(Enerprise Edition)とSE(Standard Edition)はハイアベイラビリティ構成
- WEB(Web Edition)とBasicはシングル構成
SQL Server 2016
バージョン | 2016 | 2016 | 2016 |
エディション | EE | SE | WEB |
ストレージ | クラウドSSD | クラウドSSD | クラウドSSD |
ハイアベイラビリティ | ● | ● | N/A |
シングル | N/A | N/A | ● |
Zone A | ● | ● | ● |
Zone B | N/A | N/A | N/A |
マルチゾーン (A+B) | N/A | N/A | N/A |
SQL Server 2012
バージョン | 2012 | 2012 | 2012 | 2012 |
エディション | EE | SE | WEB | Basic |
ストレージ | クラウドSSD | クラウドSSD | クラウドSSD | クラウドSSD |
ハイアベイラビリティ | ● | ● | N/A | N/A |
シングル | N/A | N/A | ● | ● |
Zone A | ● | ● | ● | ● |
Zone B | N/A | N/A | N/A | N/A |
マルチゾーン (A+B) | N/A | N/A | N/A | N/A |
SQL Server 2008 R2
バージョン | 2008R2 |
エディション | – |
ストレージ | クラウドSSD |
ハイアベイラビリティ | ● |
シングル | N/A |
Zone A | ● |
Zone B | N/A |
マルチゾーン (A+B) | N/A |
PPAS
- Oracleとの高い互換性をもつPostgreSQLベースのデータベース。
- Zone Bにしか配置できない。
バージョン | 10 |
ストレージ | ローカルSSD |
ハイアベイラビリティ | ● |
シングル | N/A |
Zone A | N/A |
Zone B | ● |
マルチゾーン (A+B) | N/A |
以上