Windows Virtual Desktop (classic) #8 標準イメージの初期状態

この記事のWVDは”Windows Virtual Desktop Fall 2019 Release”が対象です。最新の”Spring 2020 Relase”ではありません。Spring 2020 はこちら

Microsoft社から標準で提供されているWindows 10 Multi-Session イメージの初期状態を説明します。 利用環境ごとに必要となりそうなイメージカスタマイズのポイントも併せて紹介します。

1. 標準のイメージについて

Windows Virtual Desktop をリソース追加する場合、”Gallery”から以下の3つのイメージから選択することが可能です。

  • Windows 10 Enterprise multi-session with Office 365 ProPlus
  • Windows 10 Enterprise multi-session
  • Windows Server 2016 Datacenter

今回の記事では”Windows 10 Enterprise multi-session with Office 365 ProPlus”の初期状態を紹介していきます。

2. OSの初期状態

2.1. 言語

GUI の言語はEnglish です。

日本語を利用したい場合はマスターイメージで変更しましょう。 リストボックスにはJapanese は含まれていないため言語の追加から必要となります。

以下はメニューを開いた画面ですが英語です。

設定画面でも”Windows display language”は”English (United States)です。

2.2. 地域とタイムゾーン

”Time zone”は”(UTC) Coordinated Universal Time”です。 

日本からメインで利用する場合はUTC +09:00に変更するとよいでしょう。

2.3. OSのバージョン

以下、”systeminfo”コマンドの実行結果です。

OSバージョンは”Build 1776”です。 いわゆる1809になります。

Host Name: WVD7VM-0
OS Name: Microsoft Windows 10 Enterprise for Virtual Desktops
OS Version: 10.0.17763 N/A Build 17763
OS Manufacturer: Microsoft Corporation
OS Configuration: Member Server
OS Build Type: Multiprocessor Free
Registered Owner: N/A
Registered Organization: N/A
Product ID: 00432-70000-00001-AA589
Original Install Date: 5/14/2019, 3:56:48 PM
System Boot Time: 5/16/2019, 10:29:17 PM
System Manufacturer: Microsoft Corporation
System Model: Virtual Machine
System Type: x64-based PC
Processor(s): 1 Processor(s) Installed.
[01]: Intel64 Family 6 Model 79 Stepping 1 GenuineIntel ~2295 Mhz
BIOS Version: American Megatrends Inc. 090007 , 6/2/2017
Windows Directory: C:\windows
System Directory: C:\windows\system32
Boot Device: \Device\HarddiskVolume1
System Locale: en-us;English (United States)
Input Locale: en-us;English (United States)
Time Zone: (UTC) Coordinated Universal Time
Total Physical Memory: 32,768 MB
Available Physical Memory: 29,943 MB
Virtual Memory: Max Size: 37,632 MB
Virtual Memory: Available: 34,845 MB
Virtual Memory: In Use: 2,787 MB
Page File Location(s): D:\pagefile.sys
Domain: bigriver.local
Logon Server: \adds
Hotfix(s): 6 Hotfix(s) Installed.
[01]: KB4495590
[02]: KB4493478
[03]: KB4493510
[04]: KB4497932
[05]: KB4499728
[06]: KB4494441
Network Card(s): 1 NIC(s) Installed.
[01]: Microsoft Hyper-V Network Adapter
Connection Name: Ethernet 2
DHCP Enabled: Yes
DHCP Server: 168.63.129.16
IP address(es)
[01]: 192.168.0.4
[02]: fe80::75a1:df6f:9207:a9d9
Hyper-V Requirements: A hypervisor has been detected. Features required for Hyper-V will not be displayed.

2.4. ドライブ構成

C:ドライブが約126GB、D:ドライブが64GBです。 Pageファイルは規定でD:ドライブに保管される構成す。

アプリケーションの要件により126GB以上の容量が必要な場合はカスタムイメージで調整が必要となります。

2.5. インストールアプリ

Settings(設定)の”Apps & features”(アプリと機能)から確認できたアプリケーション一覧を転記します。

ぱっと見は通常のWindows 10 と大きな違いはないように見えます。 Office ProPlus(なぜかProject とVisioもインストールされている)とRemote Desktop XXXというWVDのためのアプリケーションが含まれている点が主な違いです。

従来の仮想デスクトップではマスターイメージにアプリケーションをインストールする方式が一般的でした。 このようなDaaS環境ですとApp-Vなどアプリケーション仮想化技術を併用しできる限りマスターイメージの管理を簡素化したくなります。 

もちろん、アプリケーション仮想化はなかなか大変な技術です。アプリケーション仮想化技術は10年以上の経験、App-Vの前進となるSoftGridやSoft-on-net社のZ!Stream、その後のThinAppなど、がありますが、お客様サイトで実施する分にはよくても受託には色々とリスクがあったりしますよね。 

3D ViewerMicrosoft
Corporation
Alarms & ClockMicrosoft
Corporation
App InstallerMicrosoft
Corporation
CalculatorMicrosoft
Corporation
CameraMicrosoft
Corporation
Feedback HubMicrosoft
Corporation
Game barMicrosoft
Corporation
Get HelpMicrosoft
Corporation
Groove MusicMicrosoft
Corporation
HEIF Image ExtensiosMicrosoft
Corporation
Mail and CalendarMicrosoft
Corporation
MapsMicrosoft
Corporation
MessagingMicrosoft
Corporation
Microsoft EdgeMicrosoft
Corporation
Microsoft Office 365 ProPlus – en-usMicrosoft
Corporation
Microsoft OneDriveMicrosoft
Corporation
Microsoft PhotosMicrosoft
Corporation
Microsoft PhotosMicrosoft
Corporation
Microsoft Project Professional 2016 – en-usMicrosoft
Corporation
Microsoft Solitaire CollectionMicrosoft
Corporation
Microsoft StoreMicrosoft
Corporation
Microsoft Visio Professional 2016 – en-usMicrosoft
Corporation
Mixed Reality PortalMicrosoft
Corporation
Movies & TVMicrosoft
Corporation
OfficeMicrosoft
Corporation
Paint 3DMicrosoft
Corporation
PeopleMicrosoft
Corporation
Paint 3DMicrosoft
Corporation
Remote Desktop Agent Boot LoaderMicrosoft
Corporation
Remote Desktop Services Infrastructure AgentMicrosoft
Corporation
Remote Desktop Services Infrastructure Geneva AgentMicrosoft
Corporation
Remote Desktop Services SxS Network StackMicrosoft
Corporation
SkypeMicrosoft
Corporation
Strip & SketchMicrosoft
Corporation
Sticky NotesMicrosoft
Corporation
TipsMicrosoft
Corporation
Voice RecorderMicrosoft
Corporation
VP9 Video ExtensionsMicrosoft
Corporation
WeatherMicrosoft
Corporation
Web Media ExtensionsMicrosoft
Corporation
Webp Image ExtensionsMicrosoft
Corporation
XboxMicrosoft
Corporation
Xbox Game Speech WidowMicrosoft
Corporation
Xbox LiveMicrosoft
Corporation

2.6. システムリソース

今回展開したイメージは Windows 10 Multi-sessions ということで1台の仮想マシン上に1つのWindows 10 をインストールし、そのWindows 10 を複数ユーザで共有することが可能です。 ということでリソースも通常の1ユーザ1台の仮想デスクトップ環境と比較して多めに搭載されています。

具体的には”Standard D8s v3”を1つということで、 8 vcpu、32 GiB メモリとなっています。

以下は、仮想のWindows 10 にサインインし、タスクマネージャを起動したスクリーンショットです。

8つのVitual processor、32GBのメモリとなっていることを確認できます。サインインの多重度が少ない場合はかなり快適に利用できそうです。

また、このWIndows 10 Multi-sessionsを利用するメリットとしてGPUの共有があるのではないかと気づきました(アプリケーションの互換性とライセンスに注意は必要ですが)。 以下の記事でも紹介していますが、NVIDIAのGPU仮想化技術を利用することで1つのGPUコアを論理分割し、論理分割したGPUコアを仮想マシンで利用することが出来ます。このとき、論理分割出来る数はGPUカードによりStaticに決まっており運用面で課題となることがありました。 今回のMulti-sessionsを利用することでその論理分割されたGPUコアをさらにシェアでき、より柔軟な運用とコストパフォーマンスの最適化、そしてエンドユーザにはGPU利用を前提としたアプリケーションと快適なGUI環境を提供できることになります。

3. まとめ

WVDで提供されるWindows 10 の標準イメージについて何点かポイントを紹介しました。 結論、イメージのカスタマイズは必須と思いました。

  • 言語をEnglishからJapaneseへ (表示およびIME)
  • タイムゾーンの変更
  • ドライブサイズの変更
  • アプリケーション

日本語化されたイメージが提供されアプリケーション仮想化と併用することでマスターイメージのノンカスタマイズ運用(個人的には待望の)が実現できそうですがまだまだ遠い先になりそうですね。

以上