この記事のWVDは”Windows Virtual Desktop Spring 2020 Release”が対象です。
Windows Virtual Desktop をテストする中でvCPU のクォータの上限に到達した場合の対処方法、クォータの引き上げのリクエスト、について記録に残します。
目次
1. vCPU のクォータを超過した原因
事の発端は NVIDIA のGPU 搭載のVirtual Machine で Host Pool を作成する際に以下のエラーで失敗したことです。
詳細を確認すると以下のとおり。
原因と対策部分をテキスト化すると以下の通りです。
Operation could not be completed as it results in exceeding approved Total Regional Cores quota. Additional details – Deployment Model: Resource Manager, Location: japaneast, Current Limit: 10, Current Usage: 2, Additional Required: 12, (Minimum) New Limit Required: 14. Submit a request for Quota increase at https://aka.ms/ProdportalCRP/?#create/Microsoft.Support/Parameters/%7B%22subId%22:%223cddd75f-8d91-47a3-bcd4-5d6f5c440356%22,%22pesId%22:%2206bfd9d3-516b-d5c6-5802-169c800dec89%22,%22supportTopicId%22:%22e12e3d1d-7fa0-af33-c6d0-50df9658a3%22%7D by specifying parameters listed in the ‘Details’ section for deployment to succeed. Please read more about quota limits at https://docs.microsoft.com/en-us/azure/azure-supportability/regional-quota-requests.\
ざっくりとまとめると、Cores Quota について、現在 japan east region で10 となっている制限に対して、現在すでに2を消費(これはWVD 用のActive Directory サーバ)しているよ、今回追加するVirtual Machine では12 vCPU 必要なので、Cores Quota を14に変えるようリクエストを上げてくれ、ということです。
2. SR (Support Request) によるクォータ引き上げの申請
さっそく、Support Request で申請を上げてみることにします。
Help + support から”New support request” を実行します。
ここからSR を内容を入力していきます。
Basics の画面は以下の通り進めます。
- 問い合わせの対象には”Azure services” を選択します。
- 解決したい問題として”Service and subscription limits (quotas)” を選択します。
- Quota type には”Compute-VM (cores-vCPUs) subscription limit increases” を選択します。
Details では引き上げたいQuota の内容と連絡方法やSeverity、連絡先などを指定します。
しかし、ここで疑問が1つ。 もともとのエラーの内容はサブスクリプションとしてvCPU の上限”10″ を超えるからVirtual Machine を作れないという話でした。 しかし、この画面で Request details で指定できるのはあくまで Virtual Machines 毎のクォータです。 まあ、Virtual Machine 側も上げておくことは今後のテストにも役立つのでこのまま進めます。
以下内容で最終確認して申請します。
次に、元々の問題を解決する為にjapan east region の上限を引き上げる申請です。 初心に立ち返りマニュアル(Microsoft Docs)を確認します。
このページは日本語向けも用意されています。更新日付は英語版と日本語版で同じでしたので日本語版を確認しても大きな問題はないと思います。 私はMicrosoft Docs を見るときはまず英語版の日付と日本語版の日付を見て、新しい方を確認するようしています。
このマニュアルではSupport Request の申請のやり方をスクリーンショット付きで具体的に説明されています。 この通り進めればよいだけでした。 やはりマニュアルは大事ですね。 このブログは個人でやっているということもあり適当に進めているのは確かです。 あえてマニュアル見ない方が色々問題が起きて為になったりします、と言い訳半分です。
これが答えです。
- “Quota type”に “Other Requests” を指定する。
- ”Descripton”に所定のフォーマットで新しい上限値を指定する
さっそく再申請します。
“Basics” で”Quota type” に”Other Requests” を指定します。
“Details” の”Description” には以下内容を記載しました。
Increase vCPU region limit- 1. Deployment Model: Resource Manager 2. Region: Japan East 3. New Limit: 30 |
上記内容でSR を申請しました。
3. まとめ
まとめてしまうと以下になります。
- Windows Virtual Desktop でJapan East で10 vCPU 以上利用する場合にはQuota の引き上げ申請が必要 (WVD に限らない話ですが)
- Quota の引き上げ申請はSupport Request から実施する
- Quota の引き上げ申請の対象は”リージョン” と”各Virtual Machine のタイプ毎”の2つがあり、それぞれの引き上げが必要となる(どれくらい引き上げるかはケースバイケース)
- 展開できる仮想マシン数にも既定値が50というQuotaあり
最後に参考になるMicrosoft Docs を紹介します。
仮想マシン数の上限は既定で50 です。 50以上必要な場合は引き上げる必要があります。
ここではサブスクリプションあたりの合計コア数は20 とありますが、注釈にあるとおり状況により変わるとのこと。
以上