AWS 認定試験を1日に3つ受験して撃沈した話

先日、AWS 認定試験に初チャレンジしました。 1日に3つ受験し、結果、撃沈しました。 合格した話よりも不合格の話の方が為になることもあるかと思います。 とりあえず経験談としてまとめてみました。

1. 受験した試験と結果

まずは受験した試験と結果です。 

試験コード試験名結果点数
CLF-C01Cloud Practitioner合格949
SAA-C02Solutions Architect – Associate合格798
SAP-C01Solutions Architect – Professional不合格727

試験は 2020年8月28日 (月) に3つの試験を受けました。 当初は Professional の合格を目指していたのですが不合格ということで撃沈です。。。

2. スキル・経験

受験時の当方のAWS に関するスキル・経験は以下の通りです。 

一言で言えば AWS の経験はほぼ 0 に近いです。

  • AWS の実務経験はほぼ無し
    • 他クラウド(Alibaba Cloud や Azure や GCP など)を提案する中で競合や元システムが AWS なこともあり、そういう場合は都度調べたりはする
    • AWS の見積りは簡単なものであれば作成できる(IaaS中心)
    • 実務で AWS のシステムを導入したり運用したことはない
  • AWS の操作の経験はほぼ無し
    • AWSに関する研修を受けたことが無い
    • EC2 と VPN Gateway を構築したことはある (Alibaba Cloud との接続検証のために構築。こちらの記事とか)

一方、パブリッククラウドのスキル・経験は以下の通りです。 

  • パブリッククラウドの プリセールスとデリバリは3年の経験
  • (AWS に似ている) Alibaba Cloud は良く知っている
    • Alibaba Cloud の認定資格を複数取得
    • Alibaba Cloud MVP Diamond Tier にも認定されている
  • Microsoft Azure も基礎は出来ている
    • Azure のすべての認定資格を取得済 (記事
    • 見積作成、使用や制限の調査、移行プランの検討、それらを踏まえて提案はおおむね実施できるレベル
    • とは言いつつ、Azure もほとんど触っていないので資格だけ持っているペーパードライバーみたいなものですが・・・
  • GCP も基礎は出来ている
    • 認定資格 “Professional Cloud Architect” も取得済
    • 見積作成、使用や制限の調査、移行プランの検討、それらを踏まえて提案はおおむね実施できるレベル

比較的プリセールスの経験が多いということはありますが Alibaba Cloud 、Azure、GCP、他にも自社が扱う3つのクラウドについてはそれぞれの特徴は把握しており、見積作成、お客様への提案、デリバリも不自由なく実施出来る位にはこの3年で成れたかなと考えています。 その過程で AWS が提唱するXXX原則や Well-Architected なども身についていました。

そして、クラウドに関係しない部分として、クラウドの世界に身を投じる3年前まではお客様対応の SE を17年続けていました。アカウントSEやフロントSEという役割だったので特定領域に特化することなくすべての技術領域の提案や構築、運用を実施してきました。

結果として Alibaba Cloud にせよAzure にせよ GCP にせよ、そしてAWSにしても、そのIaaS / PaaS / SaaS を構成するシステムや技術の大半は自分で設計、構築してきた経験を持つことが出来ました。 ここ3年パブリッククラウドをやってきて思うことは全く新しい技術を習得するというよりは、既知の技術が吊るしスーツのように型決めされて提供されていているだけという感じではあります。なんでも自由に出来たオンプレミスから出来ないことを意識するパブリッククラウドという感じではあります。(とは言いつつ、機械学習や AI については未知でチャレンジしている領域です)

3. 試験の準備・対策

準備と対策の方針は「プラクティショナー / アソシエイト / プロフェッショナル の3つの試験を同じ日に受ける。結果、試験の準備はプロフェッショナル 向けだけを実施する」 でした。 プロ向けの準備をすれば プラクティショナーもアソシエイトも結果として対策出来るだろうと考えました。 結論から言えばその考え方は間違っていなかったと思います。 プロ向けの対策をした結果、プラクティショナーとアソシエイトには合格出来ました。 

ただ、プロフェッショナルは不合格という事実はあります。 プロが不合格だったのは単純な準備不足だったと考えています。 準備時間は当日早起きしての4時間位、書籍を読んだりその中でわからないことをAWS のホームページで確認したり、だったのですが、結果として準備不足でした。 具体的にはせっかく購入した書籍を全部読み切らずに試験に臨んでいました。 プロフェッショナルの取得点数は727点、合格は750点とあと数問正解出来ていれば合格だったのですが、全部読み切れば23点はカバーできたのではと考えています。

準備の話にもどりまして、試験を受ける前にAWS の公式サイトから試験の概要を確認しました。 気にしたのは AWS 視点での各カテゴリのターゲットと経験年数です。 プラクティショナーが 6か月、アソシエイトが 1年、プロフェッショナルが 2年です。 Azure なんかもそうですが想定経験は2~3年とハードルは低いということを確認しました。(確認してどうこうということはなくただ安心というか油断するだけなのですが・・・)

https://aws.amazon.com/jp/certification/

そして、今回の受験にあたっての準備と対策は書籍でのAWS の知識習得でした。具体的にはリックテレコム社の “AWS認定ソリューションアーキテクト -プロフェッショナル ~試験特性から導き出した演習問題と詳細解説” の電子書籍版を購入しました。

リックテレコム社のホームページでは目次も公開されています。以下です。この中で1章から8章までは読んで、わからない部分はAWS のマニュアルを確認しました。 プロフェッショナルに合格出来なかった原因を書いてしまうのですが、1章から8章だけでは不足で9章の模擬試験も実施するべきでした。。。

■本書の主な内容
第1章 AWS認定ソリューションアーキテクト-プロフェッショナル試験の概要と特徴
・試験の概要
・プロフェッショナル試験で問われるシナリオカテゴリ
第2章 各種サービスの概要
・押さえておくべきAWS サービス・機能の全体像
・コンピュート
・ネットワーキング
・ストレージおよび配信
・データベース
・アナリティクス
・アプリケーション統合
・AIサービス
・セキュリティ/アイデンティティ/コンプライアンス
・管理ツール
・コスト最適化
・移行
・開発者用ツール
第3章 試験で問われるシナリオの特性
・「組織の複雑さに対応する設計」分野で問われるシナリオ
・「新しいソリューションの設計」分野で問われるシナリオ
・「移行の計画」分野で問われるシナリオ
・「コスト管理」分野で問われるシナリオ
・「既存のソリューションの継続的な改善」分野で問われるシナリオ
第4章 「組織の複雑さに対応する設計」分野におけるケース問題
・複雑な組織に対応するクロスアカウントの認証およびアクセス戦略を決定する
・複雑な組織に対応するネットワークの設計方法を決定する
・複雑な組織に対応するマルチアカウントのAWS 環境の設計方法を決定する
第5章 「新しいソリューションの設計」分野におけるケース問題
・セキュリティ要件を満たすソリューションを設計・実装する
・信頼性要件を満たすソリューションを設計・実装する
・ビジネス継続性要件を満たすソリューションを設計・実装する
・性能要件を満たすソリューションを設計・実装する
・デプロイメント要件を満たすソリューションを設計・実装する
第6章 「移行の計画」分野におけるケース問題
・クラウド移行対象のワークロードやプロセスを選択する
・AWSの知識を活用し、移行ツールやサービスを選択する
・新しいクラウドアーキテクチャを選択する
・オンプレミスのワークロードをクラウドに移行する戦略を選択する
第7章 「コスト管理」分野におけるケース問題
・ソリューションにおいてコスト効率に優れた料金モデルを選択する
・コストを最適化するためにどのような管理を設計し、導入するかを決定する
・既存のソリューションでコストを削減できる可能性を特定する
第8章 「既存のソリューションの継続的な改善」分野におけるケース問題
・トラブルシューティングソリューションのアーキテクチャ
・運用最適化の観点から既存のソリューションを改善する
・既存のソリューションの信頼性を改善する
・既存のソリューションの性能を改善する
・既存のソリューションのセキュリティを改善する
・既存のソリューションのデプロイメントを改善する
第9章 模擬試験
・模擬試験問題

個人的にはプロフェッショナル試験はこの書籍だけで十分合格に至ると考えています。 2週間後を目途にプロフェッショナル試験を再受験する考えですが、その結果を踏まえてにはなります。 未実施の9章を実施し、その上で合格に至れればと考えています。 212ページの本全体の中で9章は60ページ位あります。 半日~1日位はかかりそうですが次は是非に合格したいので事前に準備して臨みたいと考えています。

4. Cloud Practitioner の感想

試験の具体的な内容は NDA もあるので書けませんが簡単に感想などを。

  • 質問文も回答文も短く、クイズのような感じで知っているか、知らないかで回答は進められる。結果として15分もかからない。
  • クラウドの一般的な知識はこの3年の経験で容易に回答できる基本的な内容がほとんどだった
  • 各プロダクト、製品に関する知識は、上記の書籍の”第2章 各種サービスの概要”で AWS の製品名は事前に確認しておいた。 当方の場合は、既知のパブリッククラウド(Alibaba Cloud または Azure )の製品とマッピングできるようにしておいた。 
  • 試験自体は簡単な部類だと思うが パブリッククラウドの常識やAWS のはじめの一歩としてはとても有効な試験に思えた。営業やクラウドを間接的に扱うSEにもおすすめ。
  • 望ましい対策ですが、私は他クラウドや20年近いSE経験があったので特に対策なく合格出来たのですが若い技術者や営業の方などは豊富に提供されている研修や講習会、書籍、問題集などによる対策になるかと思いました。 試験に受かることが目的とはならないはずなので自分に合った方法でじっくりと基礎を積むことが大事なのだとは個人的に考えます。

5. Solution Architect Associate の感想

こちらも箇条書きで。

  • プラクティショナーほどではないが、質問文も回答も短く、知っているか知らないかで回答できる設問がほとんど。 30分位で回答は終えられる。
  • 個人的には AWS の知識不足で回答できないものもあった。
    • ベースの知識は Alibaba Cloud ないし Azure でそこから AWS の差分を頭にいれておいたつもりであるが、IAM なんかは AWS は出来ることの幅が広く実際に設計したり触っていないと太刀打ちできない設問があった。
    • 結果として、上記のIAM や Organization、 考え方が先行していたり全然違う RI などインスタンスの買い方、Aurora (Alibaba だと Polar が比較対象ですが)、CI / CD あたりは知識不足が目立ったところでした。それが 798 点てというスコアにも現れたかと。
  • こちらもプラクティショナー同様に AWS に実際に携わる 技術者の方にはお勧めの試験となります。 ここで問われる内容やベストプラクティスなどの考え方、単語はクラウドのエンジニアとして標準的に知っておくべき事柄ばかりだからです。 スムーズに会話するためにはこのアソシエイトの取得は必須に近いかなと。
  • 望ましい対策ですが、プラクティショナーと同じで、豊富に提供されている研修や講習会、書籍、問題集などによる対策になるかと思いました。 私の周囲を見ていても 3日間の研修(Architecting on AWS)を受講していると大体それだけで この試験に合格できる力はついているように見えます
  • また、AWSから 立派な学習ガイドも提供されています。(URL)

6. Solution Architect Professional

不合格だった前提で。  合格したらもう一回書き直します。

  • 問題は長いものも結構ある。やっかいなのは問題が長いことよりも回答分も長いこと。 そして問題数も多いのでそれなりに頭を使う。
  • 問題数が多いこともあり 180分の試験時間に対して全問回答には2時間位はかかる。 そこからまた全問を見直すのは結構な労力と時間がかかる(問題文と回答が長い)ので見直しフラグを適切に使い、見直すべき設問をきちんと絞り込んでおくとよい。
  • 設問によっては複数のプロダクトを使うケースでその順番や正しい内容を問うものがある。ここら辺は AWS の実経験があれば簡単なのだろうが実経験が無い私には結構難しく感じた。 
  • ただ、ほとんどの設問では消去法で選択肢を半分以下に減らせるのでそこまでの難問やひっかけ問題はなかった。
  • 日本語訳の間違いがかなりある。 5か所はありました。 単純なものならよいのですが、設問の前提を崩すレベルの誤りがも2つほど。 ちょっとでも疑問や違和感を感じたら 英文に切り替えて確認することをお勧めします。

7. 今後について

とりあえず2週間後に Solution Architect Professional に再挑戦します。

あとは自社でも AWS を取り扱いを開始し始めたこともあるので DevOps Engineer のPro とその配下の 2つの Associate 、専門知識はとりあえず Networking と Security と Database までは年内に取得を目指し、その過程・結果としてAWS の基礎知識を獲得していければと。

9月はこの AWS の3資格以外にも Comptia Project+、Red Hat のRHCSA と RHCE、Alibaba Cloud ACP、Azure のDP-300 と7つも受験しました。 おいおいブログにも書いていく予定です(Azure でも書いていないのがまだまだあるのですが)。

以上